通り過ぎただけの

いきなりですまんが、ちんちんが熱々だった頃のあの感じを僕らは絶対忘れちゃいけねえと思うんだ。 あとそんなに美味しくないハムカツがこの世で一番うめえってことを僕らは絶対忘れちゃいけねえと思うんだ。 みんな羨ましいくらい簡単に忘れていくから、僕…

NO WAR

戦争すんな。 いいから、とにかく戦争すんな。 ベトナムで、戦争すんな。 アフガンで、戦争すんな。 湾岸で、戦争すんな。 世界で二回も戦争すんな。 これから宇宙人が地球を侵略しに来るってのに、内輪で争ってる場合じゃねえだろ。 戦争すんな。 いいから…

店長、業務連絡です

とりあえず今は生きている、誰も彼も。 最近巷では、言葉も、情報も、愛も、嫌悪も、出来合いの弁当のおかずも、あまりにも過多。 それゆえに、人の存在理由ってのは多義的になっているというか、オルタナティヴになっているというか。 もう面倒で息苦しくて…

夏服を着て、地球を飛び出した

もしおれの分身が目の前にいたら、俺はそいつをボコボコにしてやりたいが、その分身だって紛れもなくおれなわけだから、俺はすごくかなしいよ。 今日は公園で大切な友達らとエルレガーデンについておしゃべりをしました。 普段同じ縄張りに住む強い人たちに…

モザイクの裏側で何かが死んでた

洗濯機はぐるぐる回る。 人の形をした僕が換気扇の前でタバコを吸っている。 タバコを吸い始めた理由など忘れてしまった。 なぜ、わざわざ肺を汚しながら煙を吐くのか、自分でもよく分からない。 実を言うと、何もかもよく分からない。 何かの形をした何かが…

銀河ちゃん、欠席

今日も寒流と暖流がぶつかり合うところで掃いて捨てるほどのプランクトンが増殖する。 今日もそのプランクトン欲しさに主婦の魚群が群がる。 今日もフローレンスは、テーブルの上に綺麗なボタンを徒らに並べてムーミンの帰りを待ってる。 いつだって僕は彼女…

はやすぎた、たこ、われる、ふうせん

「この時代、言わば、エレキテルの時代では、時の流れがいと疾し!」 灰色の生コンの塊が数多聳えるこの街の中心部で、博士は大声で叫んだ。 人々は博士の発言に概ね同意していることを隠しながら、気狂いを見るような眼差しを彼に向けた。 或いは彼の発言に…